漢方つれづれ草

「血(けつ)」と漢方治療

漢方で言う「血」は、西洋医学の血液と似ていますが、より広い意味を持ちます。「血」は全身に栄養を運び、精神活動にも大きく関与しています。

「血(けつ)」が不足すると、めまいや眼のかすみ、動悸や不整脈、冷え症、月経不順、不妊症、皮膚の乾燥、筋肉のけいれん、不眠などが起こります。

一方で、「血」に熱がこもると、発熱や鼻血、口の乾き、便秘、皮膚の異常(発赤やかゆみ)などが現れます。

また、「血」の巡りが滞ると、血管障害、眼の下のクマ、顔のしみ、肩こり、神経痛、関節痛、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患、さらには各種の癌などが見られます。

食べる量を極端に減らしたり偏食すると、「血」の不調を引き起こす原因になります。バランスの取れた食事を心がけましょう。漢方治療では「血」の不足を改善する「養血薬」や、「血」の熱を治療する「涼血薬」、そして「血」の停滞を治療する「活血薬」などが用いられます。