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「認知症」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2016/12/12掲載)

認知症と関係する脳には、漢方医学でいう「腎」が深く関係しています。また脳の働きには「心(しん)」が、脳に必要な「栄養」の供給には「脾(ひ)」が、「酸素」の供給には「肺」が、糖や酸素を含んだ「血」を脳まで運ぶのには「肝」が大きく関与しています。このように五臓それぞれがうまく協調することで脳は働いており、これらのいずれかに不調があると認知症が発症、進行すると漢方では考えます。

「気」や「陽」が不足すると、口数が減る、季節感や日にち、誰と話しているかが分からなくなる、思い出せないなどの症状が、体を潤す「陰」が不足すると、そわそわ、不眠、徘徊(はいかい)、独り言、記憶できないといった症状が出てくる傾向にあるようです。「心」に通じる通り道をふさぐ「痰(たん)」「湿(しつ)」「瘀血(おけつ)」も認知症の原因となります。

認知症はご本人はもちろん、ご家族の方にとっても大変つらい病気です。強いストレスのため、ご家族の方にも不眠や不安などの症状が現れる場合は、ご本人と一緒に漢方薬を飲んでいただくこともお勧めします。