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高齢者の「虚弱」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2017/1/16掲載)

加齢により体の機能が衰え、自立が困難になる手前の状態を「フレイル(虚弱)」と言い、最近注目されています。筋肉量の減少も原因となり、疲労感や活力の低下といった状態も見られます。

漢方医学では、このような体力や抵抗力の低下した状態を、必要なものが足りない「虚証(きょしょう)」と考えることが多いです。「虚証」では免疫力の低下から風邪(かぜ)をひきやすくなり、食欲不振、冷え性、足腰が弱る、認知症、便秘などの症状が見られます。不足を補う治療がメインになりますが、「気」「血」「水」の巡りが滞った状態も不調の原因になりますので、その場合は滞りの原因を取り除く漢方薬を用い、正常に巡らせる治療が必要となります。

また高齢者の虚弱でよく見られるのが、飲食物や唾液などを正常に飲み込む機能の低下による、誤嚥性肺炎です。これも主に「気」と「水」の滞りが原因となります。

漢方では、症状や原因に合わせた漢方薬でこれらの症状を癒やしていきます。栄養のある食事と運動も非常に大切です。