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加齢と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2017/7/10掲載)

漢方でいう「腎(じん)」は、生命力の根源となるエネルギーを蓄える重要な働きを担っています。そのため、加齢とともに「腎」の働きが低下すると、様々な異常が顕著になってきます。

まず「腎」は体内の水分代謝に関わり、「肺」とともに呼吸の働きも担っています。水分代謝のバランスが崩れると、口の乾き、むくみ、排尿疾患などがおこります。

また「腎」の不調は耳の働きに影響し、耳鳴り、難聴が現れます。この他、歯や骨も「腎」の働きと関連が深く、歯が抜ける、骨がもろくなる、腰痛、足腰に力が入らないなどの症状も、「腎」の不調で見られます。

「腎」の異常は全身の陰陽のバランスを崩し、白髪、脱毛、頭痛、めまい、眼のかすみ、咳、動悸、不眠、冷え症、下痢、食欲低下、虚弱、認知症などあらゆる症状を引き起こします。

治療には「腎」を補う漢方薬を中心に、個々の患者さんに合わせて処方していきます。「腎」は生命力の根源です。過労や睡眠不足、食生活の乱れに気を付けて「腎」の健康を保ちましょう。