医療のおはなし メディトーク

「不眠」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2019/5/13掲載)

睡眠は日中の活動でたまった心身の疲れをとるためのものです。陰陽のバランスが保たれていればよいのですが、陽が過剰になりすぎたり、陰が少なすぎて陽を抑えることができなくなると、バランスが崩れ不眠になります。

過労やストレスで陰が不足すると、不眠とともに動悸、驚きやすい、不安感、物忘れ、顔色が悪い、めまい、寝汗、口の渇き、微熱などが現れます。治療は陰を補う漢方薬を使います。

ストレスなどが原因で陽気の過剰になると、イライラ、のぼせ、ソワソワ、舌のびらんなどが見られます。治療は過剰な陽気を瀉します。

夜眠れないというのは大変辛いことです。まずはストレスを避け、昼間に運動し、太陽の光を浴びましょう。夜はのんびり過ごし、夜遅くの食事や、カフェイン摂取を避け、テレビやパソコン、スマホの画面を夜はできるだけ見ないようにするなどの工夫も必要です。