今月のひとこと

漢方の基本「血」(高知新聞 あしすと健康アドバイス 8/22掲載)

漢方の「血(けつ)」は西洋医学の血液と似ていますが、もう少し広い概念を指しています。「血」は全身に栄養分を与え、また人間の精神活動にも深く関係しています。

「血」が不足した状態を「血虚(けっきょ)」といい、めまい、眼のかすみ、眼の乾き、動悸、不整脈、冷え症、月経不順、不妊症、皮膚の乾燥、筋肉のけいれん、不眠などが起こります。

「血」に熱がこもった状態は「血熱(けつねつ)」といい、発熱、鼻血、口の乾き、便秘、乾癬などが現れます。

「血」が滞った状態は「?血(おけつ)」といい、血管障害、眼の下のクマ、顔のしみ、肩こり、神経痛、関節痛、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患、また各種の癌などが見られます。

極端なダイエットや偏食は「血」の不調の原因になりますので、バランスの取れた食事を心がけましょう。漢方治療では血虚を改善する「養血薬」や、血熱を治療する「涼血薬」、また?血の治療には「活血薬」などが用いられます。