今月のひとこと

「眼精疲労」の漢方治療(高知新聞 あしすと健康アドバイス 2013/1/7掲載)

目の疲れを感じませんか?人間は視覚で得られる情報量の割合が高く、最近ではテレビ、パソコン、スマートフォンなどを使うことが多いため、ますます目を酷使する傾向が強まっています。

目が疲れる、目が重い、ショボショボするといった眼精疲労は患者さんにとって非常につらい症状であると思います。漢方では眼の症状に合わせた治療はもちろんですが、その他、疲れ、めまい、頭痛などを伴う場合には、全身症状も総合して考え、その原因を探ります。

漢方では、「五臓」のすべてが何らかの形で目と関係を持っていると考えます。特に「肝(かん)」の不調は目に大きく関係します。肝に加えて「腎(じん)」の不調の加わることも多いです。

また、消化吸収をつかさどる「脾(ひ)」の不調により、目に栄養が行き渡らない状態も考えられます。食材としても使われる「枸杞子(くこし)」は、漢方薬として目の不調に使われることがしばしばあります。