今月のひとこと

漢方の基本「津液」(高知新聞 あしすと健康アドバイス 9/26掲載)

「津液(しんえき)」とは、体にある水分の内の「血(けつ)」以外のものを指します。「津液」には体に潤いと栄養を与える働きがあります。

「津液」の量が不足すると「陰虚(いんきょ)」という状態になり、ドライアイ、花粉症、不眠、空咳、痩せ、便秘などが見られます。

また「津液」の量の過剰や、流れの停滞があると「湿(しつ)」という状態を引き起こし、むくみ、嘔気、めまい、倦怠感、下痢、鼻水や痰などの症状が出ます。さらに「湿」の状態が長く続くと「熱」を帯びてしまい、「湿熱(しつねつ)」という状態になります。これはアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、暑がりや多汗などが現れます。

過労や睡眠不足、ストレスは「陰虚」の原因となります。過剰な水分摂取や運動不足は「湿」を生み、さらに甘いものや油っこいもの、辛いもの、飲酒は「湿熱」を生みますので控えましょう。

漢方治療では「陰虚」には「滋陰薬」、「湿」には「利湿薬」、「湿熱」には「清熱利湿薬」「清熱燥湿薬」などを使い分けます。