今月のひとこと
漢方の基本「肝」(高知新聞 あしすと健康アドバイス 10/24掲載)
漢方でいう「肝(かん)」は、西洋医学の「肝臓」とは違うものです。「肝」は全身の「気」の動きを調節し、「血(けつ)」を貯蔵する働きがあります。「肝」の不調は、体だけでなく精神面にも影響します。
「肝」の不調により「気」が滞ると、抑鬱状態、イライラ、ため息、胸脇部の張りや痛み、腹部膨満感、下痢、便秘、吐き気、倦怠感、自律神経失調症、円形脱毛症などが見られます。
「肝」の「血」が不足すると、筋の運動機能低下、しびれ、痙攣、爪の変形、不眠、月経不順、不妊症などが見られます。
また「肝」は目と繋がっているので疲れ目を生じます。
「肝」はストレスの影響を非常に受けやすいので、「肝」の異常が見られたらストレスを避け、のんびりした気持ちを保つこと、正しい睡眠を心がけましょう。
漢方治療では「肝」の「気」の鬱滞には「疏肝解欝薬(そかんかいうつやく)」、「肝」の「血」の不足には「養血薬(ようけつやく)」を使います。