今月のひとこと
漢方の基本「肺」(高知新聞 あしすと健康アドバイス 2012/2/27掲載)
「肺(はい)」は、呼吸をはじめ、「気(き)」や「血(けつ)」を全身に送り込む機能や、「津液(しんえき)」の代謝、免疫などの機能をつかさどっています。
ですから、「肺」の不調で現れる症状には、咳、息切れ、喘息などの呼吸器症状のほか、冷え症や、疲れやすいなどの症状、また、むくみ、尿量の減少、多汗といった水分代謝に関わる症状、インフルエンザや、風邪をひきやすくなるなどの免疫に関わるトラブルも生じます。
アトピー性皮膚炎や、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー症状も、肺の不調が原因だと考えられます。また、便秘や下痢などの排便異常も肺の不調で現れる症状です。
一年中空調の効いた環境にいると、肺の防衛機能が衰えてしましまいます。病原体の侵入を防ぐために、手洗い、うがい、マスクも有効ですが、日頃から四季の変化をしっかりと感じ、その変化に対応できる体力を養うことも大切です。