今月のひとこと

漢方の基本「腎」(高知新聞 あしすと健康アドバイス 2012/3/26掲載)

漢方でいう「腎(じん)」は、生命力の根源となる“エネルギー”を蓄える重要な働きがあり、成長、発育、生殖をつかさどっています。

その他、体内の水分代謝にも関わり、「肺」とともに呼吸の働きも担っています。水分代謝のバランスが崩れると、口の乾き、むくみ、排尿疾患などがおこります。

また、腎の不調は耳に影響するとされ、耳鳴り、難聴が現れます。歯や骨も「腎」の働きと関連が深く、歯が抜ける、骨がもろくなる、腰痛、足腰に力が入らないなどの症状も、腎の不調で見られます。

生殖の異常では無月経、不妊、インポテンツなどがあります。腎の異常は、全身の陰陽のバランスを崩してしまい、発育不全、白髪、脱毛、頭痛、めまい、眼のかすみ、咳、動悸、不眠、冷え症、下痢、食欲低下、虚弱体質、物忘れなど、あらゆる症状を引き起こします。

「腎」は生命力の根源です。過労や睡眠不足、食生活の乱れに気を付けて、「腎」の健康を保ちましょう。