知って安心!くらしの医学 メディカルチェック
漢方の診察「舌診」~舌を診る~(高知新聞 知って安心!くらしの医学 メディカルチェック 2020/06/01掲載)
「舌診(ぜつしん)」は漢方診察において、客観的な根拠となる大変重要な診察法です。例えば、食べ過ぎた翌日に舌苔(ぜつたい)が厚い、またはカゼをひいた時に舌の色が赤くなっていることを経験したことはありませんか。舌には、体の不調のサインが現れているのです。
舌がボテッとして歯の痕がある場合は、「水」のめぐりが悪く、舌が痩せている場合は、体に必要なものが不足している状態です。
舌苔が厚い場合は病(やまい)が体の奥深くに入った状態、もしくは暴飲暴食で食べ物が滞った状態です。逆に苔が剝れているものは、「気血(きけつ)」の不足を表します。また舌苔が黄色いとき、病(やまい)が体の奥深くに入った状態を表しています。
さらに舌の裏の静脈が紫色で浮き出たものは「血(けつ)」の流れが悪い状態です。
このように舌診でいろんなことが見えてきます。例えば、めまいがあり、舌に歯痕があれば、「水」のめぐりが悪いことが原因であることが推理でき、腰痛があり舌の根本の苔がはがれている場合は、「腎(じん)」の不調を疑います。