知って安心!くらしの医学 メディカルチェック
「ストレス」と「肝」の漢方治療(高知新聞 知って安心!くらしの医学 メディカルチェック 2021/2/1掲載)
例年とは違うストレスのかかる毎日ですね。今回はストレスだけでなく体の不調に関係する「肝」についてです。漢方医学の「肝」は全身の「気」の動きを調節し、「血(けつ)」を貯蔵する働きがあります。「肝」の不調は、体の不調や精神面にも影響します。
「肝」の不調により「気」が滞ると、気持ちがのびのびできない状態になります。抑鬱状態、イライラ、胸脇部の張りや痛み、腹部膨満感、便の異常、吐気、倦怠感、自律神経失調症などが見られます。
「肝」の「血」が不足すると、筋の運動機能低下、しびれ、痙攣、不眠、月経不順、不妊症などが見られます。また「肝」は目と繋がっているので疲れ目を生じます。
「肝」はストレスの影響を非常に受けやすいので、「肝」の異常が見られたら軽い運動をするなどストレスをできるだけ軽減し、のんびりした気持ちを保つことを心がけましょう。
漢方治療では「肝」の「気」の停滞には「疏肝解欝薬(そかんかいうつやく)」を使って気をのびやかにし、「肝」の「血」の不足には「養血薬(ようけつやく)」を使います。