知って安心!くらしの医学 メディカルチェック
漢方の診察方法「舌診」(高知新聞 知って安心!くらしの医学 メディカルチェック 2022/7/5掲載)
「舌診(ぜつしん)」は漢方診察において、客観的な根拠となる大変重要な診察法です。例えば、食べ過ぎた翌日に舌苔(ぜつたい)が厚い、またはカゼをひいて数日後舌の苔が厚くなっていることを経験したことはありませんか。舌には、体の不調のサインが現れているのです。
舌がボテッとして歯の痕がある場合は、「水」のめぐりが悪い、または「気」が不足した状態、舌が痩せた場合は、「血」「水」が不足している状態です。
舌苔が厚い場合は病(やまい)が体の奥に入った状態、もしくは暴飲暴食で食べ物が滞った状態です。苔が剝れているものは、「気血(きけつ)」の不足を表します。また舌苔が黄色いとき、病(やまい)が体の奥深くに入った状態を表しています。
さらに舌の裏の静脈が紫色で浮き出たものは「血(けつ)」の流れが悪い状態です。
このように舌診でいろんなことが見えてきます。例えば、めまいがあり、舌に歯痕があれば、「水」の巡りが悪いことが推理でき、腰痛があり舌の根本の苔がはがれている場合は、「腎」の不調を疑います。