知って安心!くらしの医学 メディカルチェック

「フレイル(虚弱)」の漢方治療(高知新聞 知って安心!くらしの医学 メディカルチェック 2022/12/5掲載)

加齢により体の機能が衰え、自立が困難になる手前の状態を「フレイル(虚弱)」と言います。筋肉量の減少も原因となり、疲労感や活力の低下といった状態も見られます。

漢方医学では、このような体力や抵抗力の低下した状態を、必要なものが不足した状態と考えることが多いです。不足があると免疫力の低下から風邪(かぜ)をひきやすくなったり、体のだるさ、疲れやすい、食欲不振、冷え性、足腰が弱る、認知症、便秘などの症状が見られます。不足を補う治療がメインになりますが、「気」「血」「水」の巡りが滞った状態も不調の原因になりますので、その場合は滞りの原因を取り除く漢方薬を用い、正常に巡らせる治療が必要となります。

漢方では、症状や原因に合わせた漢方薬でこれらの症状を治していきます。栄養のある食事や、なかなか運動しにくい世情かもしれませんが運動も非常に大切です。