医療のおはなし メディトーク
「気」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2019/9/10掲載)
「気」とは東洋医学の中でも特に重要な考えで、生命活動を行う根源的なエネルギーとされています。
「気」には「血」や「水」を体内にめぐらせ、体全体を温めて、病気の原因物質を排除し、体に必要なものが漏れ出すのを防ぐといった、いろいろな働きがあります。
「気」の量が不足すると、風邪をひきやすい、冷え症、胃もたれ、食欲不振、皮下出血しやすいなどの症状が現れます。また「気」が滞ると、頭重感、咽が詰まる、イライラや不眠、精神不安、おなかの張りなどの症状が現れますし、「気」が異常に上昇すれば、のぼせ、頭痛、イライラ、めまい、吐き気、喘息などの呼吸器症状が現れます。逆に「気」が下降すると、頻尿や下痢、胃下垂、脱肛などの症状が出ます。
「気」の異常に対しては、腹八分の食事と適度な運動、十分な休養を取ることが大切です。それぞれの症状や、体質に応じた漢方薬の服用が良いでしょう。