医療のおはなし メディトーク

「心(しん)」の不調の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2020/1/14掲載)

漢方の「心(しん)」には、「血(けつ)」を全身に循環させるポンプのような働きと、精神や意識、思考をつかさどる働きの2つの役割があります。

「心」の機能が低下することにより、動悸、不整脈、胸の不快感や痛み、冷え症、貧血や手足の冷え、息切れなどの症状が起こります。

その他に精神症状として、そわそわして落ち着かない、不安感、判断力や記憶力の低下、不眠症、精神不安、物忘れなどが見られます。また便秘や下痢、味覚障害も「心」の不調でおこることがあります。

漢方治療ではこれらの症状に対し、丁寧な診察により、様々な漢方薬の中から患者さんにあったものを選びます。

ストレスが多く「心」の負担の大きい現代ですが、明るく希望に満ちた、前向きな心構えをもつことが大切です。疲れを感じたら十分な休息を取り、「心」の健康を保ちましょう。