医療のおはなし メディトーク
「だるさ」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2015/11/9掲載)
日頃診療をしていますと、「だるさ」を訴える患者さんは非常に多くいらっしゃいます。
貧血、更年期症候群、甲状腺機能低下症などのホルモン異常、糖尿病、慢性疲労症候群、がんなどの身体的疾患が原因の場合や、うつ病などの精神的疾患が原因の場合もありますが、西洋医学的な病気が特になくても「だるさ」が現れる場合もしばしばあります。原因となる疾患がある場合は、漢方治療を併用することで改善の期待ができますし、疾患がない場合は、漢方治療の良い適応でしょう。
漢方医学では「だるさ」の原因として、「気」の不足、「水(すい)」の停滞を考えます。「気」の不足は、虚弱体質や過労によくみられ、食欲不振、冷え症、やる気が出ない、足腰の痛み、不眠、風邪をひきやすいなどの症状を伴います。「水」の停滞では、むくみ、頭痛、めまい、悪心、下痢、関節の痛みなどの症状を伴います。
秋も深まり、冬は目前です。しっかり体調を整えて冬に備えましょう。