医療のおはなし メディトーク

「肩こり」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2016/1/11掲載)

肩こりは多くの人が経験するとても一般的な症状です。肩こりと言っても、肩だけでなく、首、肩甲骨の内側など「こり」を訴える部分はさまざまで、腕が挙がらなくなったり、頭痛を伴ったりと、治療しておきたい病気のひとつです。

原因としてまず挙げられるのは、急な冷えによるものです。風邪のひきはじめにおこる肩こりがこれです。次に「気」の滞りです。運動不足やストレスは「気」を滞らせ、のぼせやイライラを伴います。また「血(けつ)」の滞りでは肩こりが長期化し、女性では更年期症候群や生理痛を伴うことがあります。「水」の滞りによるものでは、しびれや痛みを伴うことがあります。この他、虚弱体質や病気、加齢などで「気」が不足し、肩に十分に「気血」が届かず起こるものもあります。

漢方医学では、それぞれの原因や体質に応じて漢方薬を使い分け治療していきます。

運動不足は様々な滞りを生じ、肩こりの原因となりますので、適度に体を動かしましょう。