医療のおはなし メディトーク

「肌トラブル」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2016/5/16掲載)

「肌トラブル」といっても、アトピー性皮膚炎、湿疹、じんましん、にきび、手指の荒れやひび割れ、また口内炎など症状はさまざまです。強いかゆみや、染みる、ヒリヒリするなど痛みを伴う場合もあり、とてもつらいものです。かゆみのために夜ぐっすり眠れず、ストレスや疲労がたまり、更なる不調を生む場合もあります。

原因は主に「水(すい)」の滞りや不足、「熱」や「冷え」、「血(けつ)」の滞りや不足などが挙げられます。

例えば、胃腸が弱ると栄養の吸収が悪くなり、「水」の滞りや不足が生じます。また、夜更かしや甘いお菓子は「血」や「水」の不足の原因となり、「熱」を生みます。アイスクリームやビールなどの冷たい物の取り過ぎは胃腸が弱るだけでなく、「冷え」の原因にもなります。これでは「血」の流れも悪くなり、さらに症状が悪化してしまいます。

治療には東洋医学的な舌診(ぜつしん)、問診、脈診、腹診で、症状と原因を見極めることが不可欠です。あなたに合わせた漢方薬で「肌トラブル」のない毎日を目指しましょう。