医療のおはなし メディトーク
「アレルギー疾患」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2017/2/14掲載)
体を取り巻く環境の変化に対応する働き、外から侵入しようとするものを阻止する働きが、異常に反応する現象をアレルギー反応といいます。特に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎は3大アレルギーと呼ばれ、日常よく見られる疾患です。
漢方ではこれらの疾患には「肺」の働きが大きく関与していると考えます。「肺」は呼吸のほか「皮膚」と「鼻」にも関与しており、体の防衛機能も担っています。特に肺の「気」と、それを支える「水」を正常に巡らせることが重要です。ストレスや水分の過剰摂取、冷たい物の取り過ぎ、夜中の飲食、夜更かしや寝不足、くよくよ思い悩むことなどが、「気」「水」の巡りを阻害しますので、日常生活を見直すことも欠かせません。
治療としては「気」「水」の停滞を取り除き、巡りを改善し、「肺」の機能を高める漢方を使用します。また「肺」だけでなく、「気」「水」に関係するさまざまな臓腑にも働き掛け、不要なものを取り除き、不足したものを補い症状を癒やしていきます。