今月の一言
3月
桃と漢方
三月三日は桃の節句。今月は「桃」と漢方についてです。
桃の種は「桃仁(とうにん)」という名で漢方で非常に多く使われています。
主に、生理痛や打撲などの痛みに対する治療で「血(けつ)」のめぐりの改善などのために使われることが多く、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」や「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」「大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)」「桃紅四物湯(とうこうしもつとう)」などに使われています。
蓄膿や気管支拡張症などの、化膿性の疾患にもよく使われます。例えば「腸癰湯(ちょうよとう)」や「千金葦茎湯(せんきんいけいとう)」などがそうです。
また、桃仁には便を柔らかくする働きもあり、便秘を伴う方に使うケースもあります。
その他、咳止めの効果もあり、慢性の咳症状の方の治療に補助的に用いる場合もあります。
桃の種は多くの場面で使われる重要な生薬なのです。
ちなみに桃とは言えども種ですので、甘みはありません(笑)。