今月の一言
7月
「百合」と漢方
今月は、七月の季語「百合(ゆり)」と漢方についてのお話しです。
漢方で百合は「びゃくごう」と読み、ヤマユリ、オニユリ、ササユリなどの鱗茎(りんけい)を漢方薬として使います。「鱗茎」というと聞きなれないと思いますが、オニユリやヤマユリの鱗茎は、お正月に食べるいわゆる「ゆりね」のことです。
「百合」には、乾燥性の咳をしずめ、こころを落ち着かせる働きがあります。
微熱が続き、空咳が長引く場合に使われる「百合固金湯(びゃくごうこきんとう)」という方剤がありますますが、昔は結核の治療にも用いられました。「金」は五行説で「肺」を意味しています。
他にも百合の名を冠した方剤は「百合知母湯」「百合地黄湯」などがあります。
みなさんの身近にある植物に、漢方薬として用いられているものが数々あります。
また、ときどきご紹介していきますね。