今月の一言

8月

「蝉」と漢方

8月になり夏真っ盛り、ここ高知でも蝉の大合唱が聞かれます。

さて、蝉の抜け殻を漢方薬として使用するってご存知でしたか?
漢方では主にこれを「蝉退(せんたい)」と呼んでいます。

発熱や皮膚疾患、眼の疾患、痙攣性の疾患、また小児の夜泣きなどに使われています。
もちろん「蝉退」を単独で使うことはなく、他の生薬と一緒に使うのですけれども。

「蝉退」の入った有名な処方に「消風散」があり、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹によく使います。

木の幹に残った蝉の抜け殻をみると、昔は「夏が来たなー」と思っただけですが、今では「あ、蝉退だ、使おうかな。」とついつい思ってしまいます。(もちろん拾って使うことはありませんが・・・笑)

身近なものを使って様々な疾患を治療してきた漢方は先人の知恵の結晶であり、日本の宝だと私は思うのです。