漢方つれづれ草

梅雨の体調不良と漢方治療

梅雨の時期は、高温多湿な環境が続き、体調を崩しやすい季節です。東洋医学では、この湿気によって体内に余分な水分が溜まり、「水滞(すいたい)」と呼ばれる状態になると考えられています。水滞は、頭痛、むくみ、だるさ、めまい、下痢などの症状を引き起こすとされています。

漢方治療では、水滞を改善することで、梅雨の体調不良を改善することができます。具体的には、以下の様な漢方薬が用いられます。

五苓散(ごれいさん): 水分代謝を促進し、利尿作用のある代表的な漢方薬です。むくみや頭痛、めまいに効果があります。

猪苓湯(ちょれいとう): 五苓散に比べて利尿作用が強く、さらに胃腸の調子を整える効果もあります。下痢や軟便のあるむくみに効果があります。

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう): 胃腸が弱く、痰が多い水滞に効果があります。胸悶、嘔吐、下痢などに効果があります。

真武湯(しんぶとう): 冷えと水滞がある場合に用いられます。冷えによる腹痛や下痢、手足の冷えなどに効果があります。

これらの漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。これら以外の漢方を体質に合わせて使用することもあります。また、日常生活の中で、適度な運動や水分補給、規則正しい生活を心がけることも、梅雨の体調不良の予防に効果的です。

もし、梅雨の時期に体調不良を感じたら、当院までご相談ください。