知って安心!くらしの医学 メディカルチェック
「血(けつ)」と漢方治療(高知新聞 知って安心!くらしの医学 メディカルチェック 2022/3/1掲載)
漢方の「血」は西洋医学の血液と似ていますが、もう少し広いものを指しています。「血」は全身に栄養分を与え、また人間の精神活動にも深く関係しています。
「血(けつ)」が不足した状態では、めまい、眼のかすみ、動悸、不整脈、冷え症、月経不順、不妊症、皮膚の乾燥、筋肉のけいれん、不眠などが起こります。
「血」に熱がこもった状態では、発熱、鼻血、口の乾き、便秘、皮膚の異常(発赤やかゆみ)などが現れます。
「血」のめぐりが滞った状態では、血管障害、眼の下のクマ、顔のしみ、肩こり、神経痛、関節痛、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患、また各種の癌などが見られます。
食べる量を極端に減らしたり、偏食すると「血」の不調の原因になりますので、バランスの取れた食事を心がけましょう。漢方治療では「血」の不足を改善する「養血薬」や、「血」の熱を治療する「涼血薬」、また「血」の停滞の治療には「活血薬」などを使用します。