医療のおはなし メディトーク

がんと漢方 生活の質の改善(高知新聞 医療のお話 メディトーク 4/8掲載)

3月15日の高知新聞朝刊に「漢方の科学的検証着々」というタイトルで、厚生省研究班によるがん患者に役立つ漢方薬についての取り組みが紹介されていました。

食欲改善や口内炎治療に漢方薬を使用した場合の作用や、これによるがん患者の生活の質の向上について述べられていました。

がん患者で食欲がなく痩せていく「悪液質」という症状に対して、「六君子湯(りっくんしとう)」を使用する臨床試験が進行中という内容です。六君子湯は食欲促進ホルモン「グレリン」の分泌を促すことが知られており、一般的にも食欲不振の治療によく使われます。

次に抗がん剤治療の副作用である口内炎に対しての「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」の使用についてですが、無作為比較試験の結果、口内炎を優位に改善することが分りました。興味深いことは、半夏瀉心湯で口をすすぐことで改善するという点です。このことから漢方薬の「香りや味」も薬効のうちであることがわかります。

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