医療のおはなし メディトーク

「過敏性腸症候群」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2015/4/13掲載)

大腸ファイバーや胃カメラ、血液検査など西洋医学的な検査を受けても異常が見つからないにもかかわらず、お腹の張り、腹痛を伴って便秘と下痢を繰り返すものを「過敏性腸症候群」といいます。

日本では約10人に1人の割合でみられると言われており、とても一般的な病気です。ストレスが症状の悪化の原因になることが多く、現代社会ではこれに悩まされる方が増えています。

ストレスで「肝(かん)」の働きに不調をきたすと、それによって「脾(ひ)」が円滑に働かず症状が出ることがまずあげられます。また、ストレスばかりでなく、元々「脾」の弱い人が、冷たいものや刺激の強いものを摂ることで起こる場合もあります。治療には「肝」と「脾」を整える、あるいは「脾」を補う漢方薬を使います。

生活習慣も大切です。規則正しい食生活を心掛け、暴飲暴食を避けましょう。ちょっとした休憩でリフレッシュしたり、20分〜30分のウォーキングなどをしてストレスを解消しましょう。