医療のおはなし メディトーク
「下痢と便秘」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2016/9/13掲載)
便秘と下痢の原因はさまざまですが、共通の原因としてあげられるのは精神的なストレスや緊張です。「気」の不足や停滞を生じ、便秘や下痢の原因となります。慢性疾患や手術、出産などによって「気」が消耗した場合などにもよく起こります。
下痢はウイルス性のものや、冷たい物の取り過ぎで胃腸に「冷え」が生じたときによく起こります。他方、便秘の原因は体に「熱」がこもることで起こるものが多く、赤ら顔、口の乾き、ニキビなどを伴う場合もあります。
また「気」が滞ると体を温める力が不足し、便秘につながります。これはもともと冷え症の人に良く見受けられます。また、出血性の疾患後や高齢者の方は、体内の「潤い」が不足してしまうため、便秘しやすくなります。
便秘と下痢は真逆のようですが、実は「便秘と下痢を繰り返す」という方は大変多いです。原因に合わせた漢方薬の服用が有効ですが、ウオーキングなどで適度に体を動かすことも大切です。毎日の「良いお通じ」を目指しましょう。