医療のおはなし メディトーク

「神経痛」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2017/5/9掲載)

繰り返し起こる神経痛には、腫瘍や炎症といったはっきりした原因がある神経痛もあれば、いろいろと検査をしても原因が分からない神経痛も多く見られます。

漢方医学では体の巡りが悪くなることで痛みを生じると考えています。三叉神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛など痛みを生じる部位はさまざまですが、いずれも冷えの影響を受けやすい部位です。

冷えで痛みが増す場合は、体を温める力が弱い体質の人に多く見られ、「気」「血」「水」の流れが滞ってしまうことが原因です。

また、もともと体に余分な水がたまっている人がなりやすい痛みは、ズシッと重だるく、雨の日や湿気が多い日に悪化する特徴があります。「水」の滞りがあると、「気」「血」の滞りも誘発され、坐骨神経痛などが起こりやすくなります。

漢方治療では冷えを取り除き、巡りを改善させる治療を行います。日常的に薄着や冷たい飲食物を避け、水分の取り過ぎにも注意しましょう。運動で体を温めたり、ぬるめのお風呂で温まるというのも良い方法です。