医療のおはなし メディトーク

頭痛の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2018/12/10掲載)

頭痛は腫瘍や脳血管障害など重大な病気が隠れている可能性があり、続く様であれば一度検査することをお勧めしますが、とくに異常がないにもかかわらず頭痛で悩んでいる方も多いです。
痛みの原則は「不通則痛(ふつうそくつう)」といって本来スムーズに流れているものが流れなくなって起こったり、あるいは「不栄則痛(ふえいそくつう)」といって十分栄養が行きわたらなくて起こると考えています。
痛みの性質は、「気」の滞りは張るような痛み、「血」の滞り奥で締め付けられるような痛み、「水」の滞りずしんと重い痛みと表現される傾向があります。眼や頭の使いすぎで「心」、「肝」が疲労し「血」の不足で起こることがあります。ストレスや怒りで気が上にのぼって気が停滞して起こるもの、寝不足や疲労では体を潤すことができなくなり、熱がこもることが原因のこともあります。逆に冷えで起こるものもあります。「水」の停滞では雨の前に起こる特徴があります。胃腸の調子が悪いことで起こる頭痛もあります。原因は様々で、頭だけでなく全身を見て漢方薬を選ぶ必要があります。