医療のおはなし メディトーク
「動悸(どうき)」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 12/9掲載)
「動悸」とは心拍動の異常感があり、ドキドキして、不安感を伴うものをいいます。何かにびっくりしたり、恐ろしいことがないにもかかわらず、胸のあたりにドキドキを自覚する状態で、時がたって安定することもありますが、ひどくなると安定しないこともあります。当然、自らコントロールはできません。不整脈などの心疾患や、甲状腺機能亢進症のほか、自律神経失調症などにもよく現れます。
漢方では、「心(しん)」「肝(かん)」「腎(じん)」において、「気血(きけつ)」や「陰陽」のバランスの失調などがあると、動悸が起こると考えます。また、「気」「血」「水(すい)」の流れが滞った場合にもよく起こります。特に「心」の不調に関係する動悸には、不眠、不安、驚きやすい、夢が多いといった症状を合わせもつことが多いです。「心」と「精神」は非常に深い関係にあります。よって動悸の治療には「こころ」を養い、安定させる漢方薬を使用します。