医療のおはなし メディトーク

「頭痛」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 11/11掲載)

頭痛はつらいもので「たかが頭痛」と侮ることはできません。

漢方では頭痛は、腰痛、膝痛、胃痛などのように、「痛み」のカテゴリに分類されます。

まず原因となるものに、気や血(けつ)の流れが妨げられたときに「痛み」が起こると考えられ、漢方ではこれを「不通則痛(ふつうそくつう)」といいます。原因となるものの例をあげると、血の巡りの悪くなった状態で起こる「?血(おけつ)」や、水の循環の悪化によって起こる「痰湿(たんしつ)」、また体の外から風(ふう)、寒(かん)、熱(ねつ)、湿(しつ)などの「外邪(がいじゃ)」が入ることによって起こるものなどがあります。

これらは「必要のないものが体にある」ことによって起こるのですが、逆に「体に必要なものが足らない」ことによって起こるものもあります。

例えば「肝」、「脾」、「腎」で必要な気や血、水などが不足した状態でも痛みが起こります。不要なものは取り除き、不足しているものは補い、巡りを改善することが漢方治療の基本となります。