今月のひとこと

腰痛の漢方治療(高知新聞 あしすと健康アドバイス 2012/9/3掲載)

腰痛とは腰の痛みや、腰の辺りの不快感を指します。漢方では「腎(じん)は腰を主(つかさど)る」と考えられており、治療には「腎」を補う漢方薬を使うことが多いです。

しかし腰痛の原因には、その他さまざまな要素があるので、原因に見合った治療を考える必要があります。腰の痛みは強くなくても、腰の重さやだるさがつらいという場合にも、同じようにその原因を探りながら治療していきます。

腰痛の原因の一つとして、外邪(外因)があります。これは、寒、湿、熱などが体の外から入ってくることで起こるものです。

次に打撲、交通事故、姿勢の悪さ、慢性疲労などにより、気血の流れが悪くなることで起こるものもあります。

最後に、加齢や慢性疾患による消耗、骨粗しょう症などによる腰痛です。これは「腎」の不調が強く疑われます。

腰痛は、これらの原因が複数重なって起こる場合も多く、その場合は、それぞれの原因に合った漢方薬を組み合わせて使う必要があります。