今月の一言

3月

啓蟄、グラウンドホッグデーと「恋はデジャ・ブ」

いよいよ春ですね。
今年は3月6日から春分の日の前日まで、二十四節気でいう「啓蟄(けいちつ)」が来ます。啓蟄は「冬籠りの虫が這い出る」という意味で、春の訪れを意味しています。
アメリカでは「グラウンドホッグデー」と呼び、グラウンドホッグ(ウッドチャック)というリスの仲間を使って、春の訪れを占うお祭りが行われます。

この「グラウンドホッグデー」というタイトルの映画(邦題は「恋はデジャ・ブ」)がありますが、僕の大好きな映画です。いつも偉そうで世の中を舐めてかかっているお天気キャスター役のビル・マーレイが、グラウンドホッグデーの取材で田舎町に行くことに。「なんでこの俺様がそんなつまらん仕事をやらなきゃいけねぇんだよ」と、いかにもだるそうな感じでスタッフと現場に取材前日に赴きます。

翌日はいよいよグランドホッグデー当日。ホテルのラジオ付目覚まし時計で目が覚めます。かかっている曲はソニー&シェールの「アイ・ガット・ユー・ベイブ」。主人公は終始めんどうくさそうな態度で取材を終え、帰路につきますが、吹雪で交通が閉鎖。その町にもう1泊する羽目になります。

翌朝、目が覚めるとまたラジオから同じ曲が。しかもラジオのトーク内容も全く同じ。「どうなってんだ!?」。なんと、彼はグラウンドホッグデーを何回も生きることになってしまったのです。「なんでこんなつまんない町で、つまんない日を繰り返し生きないといけないんだ!」同じ毎日を繰り返す中、テレビ局のスタッフ、アンディ・マクダウエルに恋をします。この高慢な男はこのあとどうなるのか・・・?

映画評論家の町山智浩氏によれば、ハロルド・ライミス監督はニーチェの「永劫回帰」をこの映画で表現したとのことですが、この映画を観れば、永劫回帰の意味がよくわかります。タイトルだけ見れば軽いラブコメディーみたいですけど、実はとても深い映画なのです。

啓蟄が来たらぜひ観てみてください。