今月の一言

11月

酒井シヅ先生の「養生訓」講演

10月18日に、東洋医学会高知県部会が行われました。

特別講演で順天堂大学名誉教授の酒井シヅ先生が「養生訓」のお話をされました。酒井先生は医史学の大変な権威で、著書も多く、大河ドラマ「八重の桜」や、のちにドラマにもなった漫画「JIN−仁−」の医学考証もされています。とてもお優しいお人柄が、お話からも伝わってきました。

「養生訓」は貝原益軒先生が書かれたもので、江戸時代から現代まで読み続けられているロングセラーです。内容は、飲食、飲酒、飲茶、たばこ、性欲の慎み、大小便、入浴、医者の選び方、薬の選び方、養老、子育て、鍼(はり)、灸などなど多岐にわたり、現代のわれわれにも参考にすべきところが大変多くあります。

現代では食事に「旬」という考えが少なくなったように思われます。また日頃診療をしていると、夜更かしや睡眠不足、運動不足の人も多く見受けられます。「旬」を取り入れた食生活や、生活習慣の見直しは、病気を治療する上で大変重要です。

益軒先生は、83歳と大変長生きされました。私も、改めて養生訓を読み直し、生活のヒントにしようと思いました。