医療のおはなし メディトーク

「更年期障害」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/5/12掲載)

閉経期前後に現れるさまざまな症状を総称して「更年期障害」と言いますが、原因は女性ホルモンの低下によるものといわれています。

自律神経の失調による、急なほてり(ホットフラッシュ)や、イライラしやすい、不安感などの精神症状、また、月経不順などがみられます。漢方では、原因は加齢だけでなく、社会的なストレスなども原因として考慮します。

ストレスが強いと「肝(かん)」「腎(じん)」の働きが悪くなり、「血(けつ)」や「津液(しんえき)」に不足が生じてしまいます。さらに「気」や「血」の滞りが加わると様々な症状が現れます。眼の疲れ、頭がボーっとする、フワフワしためまい、のどのつまり感、首や肩のこり、抑うつ感、怒り、生理痛、月経血に塊が混じる、生理不順などがよくみられます。

詳しい問診に加え、舌や脈、体のツボを圧した際の反応などを総合的に診て、漢方薬を選択します。規則正しい生活習慣、ウォーキングなどの有酸素運動で「気血(きけつ)」を巡らせることも大切です。