医療のおはなし メディトーク

「味覚障害」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/4/14掲載)

生きるうえで食事を摂ることは欠かせません。食べ物から栄養を摂り、生命活動に必要な「気」を得なければならないからです。

食事は美味しく摂りたいものですが、味覚障害によって、味がわからない、変な味がするといった症状を訴える方、あるいは何も食べていないのに口の中に味を感じるという方がいらっしゃいます。

口と「脾(ひ)」は深い関係にあり、「脾」の不調が味覚異常を起こす場合があります。

特に、味覚異常として「甘み」を感じる場合に「脾」の異常が疑われます。

また、「苦味」を感じる場合は「肝胆(かんたん)」の異常が疑われます。カゼをひいた後に口に苦味を感じる場合がこれです。

この他「塩辛い味」を感じる場合は「腎(じん)」に異常があると疑われます。

「酸味」は「肝」の異常、あるいは暴飲暴食による食の滞りが考えられます。

漢方治療ではこれらの違いを読み解き、適切な漢方薬を使うことが必要になります。