医療のおはなし メディトーク

「不安」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/3/10掲載)

「不安」というものは誰もが感じたことのある感情でしょう。一時的なものなら別段心配はありませんが、これが長期にわたる場合、またこれといった原因がないのに不安を感じるといった場合には、治療が必要なケースがあります。

漢方では、「不安」は疲労や過労、ストレスなどが原因で「心(しん)」・「肝(かん)」・「胆(たん)」に支障をきたすことで起こると考えます。「心」が消耗すると、不眠や動悸などの症状が現れることが多く、「肝」の不調ではイライラや気力の低下、目の疲れなどが、「胆」の不調ではビクビク・オドオドする、決断力が低下するなどの症状がよくみられます。

治療には「心」を安定させる漢方薬や、「肝」を伸びやかにし、「気」の鬱滞(うったい)や不足を解消する漢方薬、「胆」の力を補う漢方薬などを使用します。「不安」は一見他人からは見えませんし、「分かってもらえない」と悩んでいる方もあるでしょう。まずは当院にご相談ください。