医療のおはなし メディトーク
「雨の日の不調」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/6/9掲載)
低気圧が、物理的に体や自律神経に影響することはよく知られています。よく見られる症状は、頭痛、めまい、関節リウマチや外傷後などの関節の痛み、むくみ、嘔吐、喘息、痰、アレルギー性鼻炎、湿疹、下痢、帯下(たいげ)、喉のつかえ感、体のだるさ、やる気が起こらない・・・など、数え上げたらきりがありません。
湿気(しっけ)は読んで字のごとく「湿(しめ)った気(き)」であり、漢方ではこれを体の中の環境に当てはめ、「水」の巡りが悪い状態として捉えます。甘いものやアルコールの摂り過ぎ、水分の過剰摂取、運動不足などで体の「水」の巡りが悪くなると、体の中に「湿(しつ)」が溜まり、先にあげたようなさまざまな体調不良を引き起こします。また、体の中に「湿」が充満しているところに、さらに季節や天気の変化で体の外からも湿気の影響を受けると、なおさら症状が悪化してしまうというわけです。
また漢方でいう「心(しん)」も、「湿」でふさがれるとこころがのびのびと活動しなくなり、イライラ、抑うつ感、動悸、不眠なども現れます。
漢方治療では、「湿」を取り除き、「水」の流れを良くする漢方薬を使用し、症状によっては、同時に温めたり、逆に冷やしたりする漢方薬が使われます。しっかりと体の中の「湿気」を退治することで、季節や天気の変化に左右されない体づくりを目指すことができます。
梅雨の季節、ジメジメとした湿気や雨で、体調のすぐれない方も多いことと思います。食べ過ぎや飲み過ぎを避け、ウォーキングなどの適度な運動を心がけ、元気に梅雨を乗り切りたいものですね。症状にお悩みの方は、まずは当院にご相談ください。