医療のおはなし メディトーク

「夏の不調」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/7/14掲載)

「夏になると調子が悪くなる」という方はいらっしゃいませんか?夏は自然界からの「熱」が体に影響を与えるため、体質や生活習慣などにより、さまざまな不調が現れます。

顔や手足がほてる、胸がソワソワする、不眠などの症状が見られるのは、陰虚(体を潤す「水」の不足)により体に熱がこもっていることが原因と考えられます。更年期障害やバセドー病でお悩みの方は、このタイプに入る場合が多いようです。

また、食欲不振、吐き気、体が重だるい、倦怠感、口が粘る、軟便、下痢などのいわゆる夏バテの症状は、日本の夏特有の蒸し暑さ、つまり「湿(しつ)」も大きな原因になります。
この他、冷たい物の飲み過ぎや食べ過ぎにより胃腸の調子を損ねることも、夏の不調の原因になります。

漢方治療としては、「陰」を補う治療、「湿」を取り除く治療、「脾胃(ひい)」をたてなおす治療を考えます。まずは十分な睡眠をとり、消化の良いものを食べて、この夏を乗り切りましょう。