医療のおはなし メディトーク
「ほてり」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/9/8掲載)
西洋医学では「熱」といえば体温計を使って測定しますが、漢方医学では数値ではなく、自覚症状に着目します。体温計で測って異常はなくても、患者さん本人が「ほてり」を感じるなら、「熱」があるとして考えます。
風邪の後の微熱など感染が原因によるほてり、自己免疫疾患、更年期症候群といった西洋医学的に病名のつく疾患によるほてりはもちろん、検査をしても異常の見つからない、いわゆる「不明熱」も治療の対象です。
漢方医学は西洋医学とは違う物差しで人体をとらえますので、「ほてり」の症状に対して様々な治療戦略が用意されています。原因は「水(すい)」の不足によるもの、「気」の不足によるもの、「血(けつ)」の不足によるものなど種々ありますが、ほとんどの場合にストレスや過労、病後など、疲労がたまった状態が見受けられます。
なにかと忙しい現代ですが、疲れを感じたら、まずは体を休めることが大事です。十分な睡眠、栄養をしっかりと摂りましょう。