今月の一言

3月

町田康「告白」

町田康の長編小説「告白」を読みました。文庫本で840ページをこえる長編です。「小説読めない病」にかかって久しい私がなんで読んだかというと、妻が一気に読み切って「面白い」と言って薦めてきたからです。実際ちょっと読んでみたらすごく面白く、夢中になって読みました。

私が高校生の頃、「INU」というバンドが好きでよく聴いていました。そのボーカルが町田町蔵、今の町田康です。私がはじめに読んだ町田康の小説は「夫婦茶碗」でした。独特の文体で、過激で強烈な堕落者を描いた文学で、大変面白く読みました。

今回読んだ「告白」でもその文体は健在で、内容は「河内十人切り」を題材にしたもの。これも過激で、強烈な笑いと悲しみの文学でした。

登場人物の葛木ドール、正味の節ちゃん、合羽の清やんなど人物の名前の滑稽さが秀逸で、河内音頭で踊る盆踊りのシーンでは爆笑してしまいました。最後には、胸に迫る悲しい結末があるのですが、これも見事です。

読後、無性に「河内音頭」が聴いてみたくなり、京山幸枝若の河内音頭「河内十人斬り」を聴きましたが、これがとにかくカッコ良い!まさに新境地でした。

町田康は「告白」で谷崎潤一郎賞を受賞。町田康の最高傑作だと思います。