医療のおはなし メディトーク
「むくみ」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2014/11/10掲載)
「むくみ」は腎臓や心臓の疾患、低たんぱく血症や甲状腺機能低下症などの持病をお持ちの方によくあらわれる症状ですが、このような持病がなく「むくみ」を訴える方が、日頃多くいらっしゃいます。西洋医学的な検査では異常が認められない、いわゆる「特発性浮腫」と呼ばれるものです。
その多くの場合で、「水(すい)」の流れの停滞が見受けられます。腰痛や関節痛、手足のしびれ、体のだるさなどを訴える方に、「水」の停滞をとる治療を行うと、むくみとともにこれらの症状が解消することがよくあります。
漢方でいう「肺(はい)」「脾(ひ)」「腎(じん)」は、「水」を運ぶのにおおきな役割を担っています。むくみの原因が「肺」の不調の場合では花粉症や風邪をひきやすい、「脾」の不調では食欲不振や胃痛、「腎」の不調では腰痛や膝関節痛、尿が出にくいなどの症状を伴うことがあります。
漢方では詳しい問診と、舌診、脈診、腹診で原因を探り、個々に合わせた漢方薬で治療を行います。