医療のおはなし メディトーク

「足のほてり」と漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2015/1/13掲載)

夜寝る時、冬でも足がほてって布団から足を出したくなる、そんな症状でお悩みの方は意外と多くいらっしゃいます。現代人は過食や運動不足、ストレス、夜更かし、睡眠不足などにより「気」の停滞を生じやすく、これが更に「熱」を生じさせる原因となります。

漢方では「陰(いん)」と「陽(よう)」のバランスに重きを置きますが、この場合は「陰」の不足を引き起こします。つまり相対的に「陽」が多くなってしまい、体に熱がこもってしまうのです。これを「陰虚内熱(いんきょないねつ)」といいます。

症状は足のほてりのほかに、手の平のほてりや、胸がソワソワして落ち着かない感じなどを伴うことが多いです。「陰」には体を潤すはたらきがありますので、「陰」が不足すると、肌の乾燥、口や喉の渇き、便秘などの症状も見られます。漢方薬では「陰」を補うもの、「熱」をとるものを使い分けます。

運動や食生活の改善、睡眠時間の確保など、生活習慣の見直しも非常に大切です。