今月の一言
12月
冬の養生法
今年の秋は、例年になく暖かい日が続きましたね。しかし、いよいよ12月。高知にも寒い冬がやってきます。今月は冬の養生法について考えてみたいと思います。
漢方の古典「黄帝内経素問」には「冬に寒に破らるれば、春に必ず温病たり」「精を蔵するものは春に温を病まず」「聖人の春夏に陽を養い、秋冬に陰を養う・・・」「冬三月、此れを閉蔵と謂う。・・・此れ冬気の応、養蔵の道なり」とあります。
要は「冬の間は、静かに養生しなさい。さもなければ、春に熱病にかかってしまいますよ」ということです。現代病である花粉症などもこれに当たると考えることができます。
日本の漢方医、貝原益軒の「養生訓」にも冬の養生法が記されています。「冬は天地の“陽気”が閉じこもってかくれてしまい、人の“血気”の収まる季節である。心を静かに安定させておきなさい。温めすぎて“陽気”をもらしてはならない。上気させてはならない。衣服を温めるには、少し温めるのがよい。熱いのはよくない。厚着をしたり、火で体を温めすぎてはいけない。熱い湯に浴してはならない。力仕事をして汗をかき、“陽気”をもらしてはいけない」とあります。
辛い物の食べすぎや、厚着、熱いお風呂や力仕事などによる汗のかき過ぎを避け、こころをリラックスさせる。これが冬を乗り切り、また健康に春を迎えるための養生法です。
季節感なく一年中動き回ることの多い現代人ですが、季節に応じた養生法をヒントに、健康に過ごしたいものですね。