医療のおはなし メディトーク
「関節リウマチ」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2015/3/9掲載)
関節リウマチは、多発性で左右対称に関節の炎症を起こす慢性の病気です。寒い季節に悪化することご多かったのですが、冷房で夏に冷やすことが多いせいか、一年中痛みに悩まされる方も多くいらっしゃいます。
漢方では、関節リウマチの様な関節の痛みや変形が起こる病気を「痺症(ひしょう)」と呼び、治療してきました。
痛みの位置が手の指、手首、足首など次々に移動するものを、漢方では「風痺(ふうひ)」といいます。風が吹くように痛みが移動するからです。冷えると痛みが激しく増すものを「寒痺(かんぴ)」、痛みと共に関節のむくみを生じるものを「湿痺(しっぴ)」と言います。また、炎症により関節が腫れて熱をもったものを「湿熱痺(しつねつひ)」といいます。
原因が単純に割り切れる場合はあまりなく、「血(けつ)」の不足や滞り、疲労やストレスによる体力の低下、食生活の乱れなども原因として絡んできます。漢方治療では、奥深く入り込んだ病気の原因を取り除いて、「気・血・水」の通りをよくする漢方薬を使用します。