医療のおはなし メディトーク

「腎(じん)の不調」の漢方治療(高知新聞 医療のお話 メディトーク 2019/3/11掲載)

漢方の「腎(じん)」は一般的なイメージとは異なり生命力の根源となる“エネルギー”を蓄える重要な働きがあり、成長、発育、生殖をつかさどっています。

その他、「水」のめぐりにも関わっています。水分代謝のバランスが崩れると、口の乾き、むくみ、排尿疾患などがおこります。

また、「腎」の不調は耳に影響するとされ、耳鳴りや難聴が現れます。歯や骨も「腎」の働きと関連が深く、歯が抜ける、骨がもろくなる、腰痛、足腰に力が入らないなどの症状も、「腎」の不調で見られます。

生殖の異常では無月経、不妊などがあります。その他、発育不全、頭痛、めまい、眼のかすみ、咳、動悸、不眠、冷え症、下痢、食欲低下、虚弱体質、物忘れなど、様々な症状を引き起こします。

「腎」は生命力の根源です。過労や睡眠不足、食生活の乱れに気を付けて、「腎」の健康を保ちましょう。